中田医院 | 岡崎市矢作町北河原の内科、消化器内科、小児科

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過敏性腸症候群

小中学生からすでに始まっている過敏性腸症候群(腹痛・下痢・便秘)の治療を意欲的に行っています。
近年、検査をしても異常を発見できない機能性の疾患で「便通異常」に悩む人が急増しています。もちろん、検査をしても異常がないわけですから、がんも潰瘍もポリープもありません。

この機能性の病気は、過敏性腸症候群と呼ばれていますが、突然の腹痛と便意のために、バス・電車旅行のみならず、毎日の通勤にも不安・恐怖を感じている人もみられます。この病気は腎臓の機能が悪くて透折中(週3回、各々4-5時間かかります)の方と同程度にQOL(生活の質)が障害されているという情報もあります。
最近では、腹痛、腹鳴、便通異常で不登校になる子供も多くなっています。
また、腹痛や下痢を伴わない「機能性便秘」も、特に女性を中心に増えています。原因としては、何といっても「ストレス」の増加が挙げられますが、肉体労働をしなくなった生活スタイルの変化や、過剰に健康に注意する風潮なども関係していると思われます。

胃腸は単なる食物の通過器官ではありません。胃腸には、脳の神経細胞と同じ神経細胞がほぼ同じ数だけ存在して、脳とネットワークを作り、一体化しています。そのために、ストレスの増加により便通異常が起こったり、腸管の知覚過敏による腹痛が起こるわけです。

快食、快便、快眠は、人間の健康的な生活にとって大変重要なことです。
快適な排便を行うためには、大腸が十分な蠕動運動を起こすことが必要です。そのためには、食物繊維を十分に摂取すること、汗ばむくらいの適量の運動が有効です。あとは、ストレスを溜めないこと。そのためには、何ごとも100パーセントを求めないで、75点で満足する「75点主義」がお勧めです。

「機能性」の病気ですが、「気のせい」の病気というわけではありません。
この病気の方は病識(自分が病気であるという認識)の乏しい方も多いようです。症状が何年も続いていても命にかかわる病気ではないため、「こんなものだ」とあきらめていて、医療機関に受診して治療を受けようと考えつかないわけです。
最近は、過敏性腸症候群の良い薬も発売されていますので、一度試してみたらいかかでしょうか。